コバナシメモート

小話を書いていたが最近は愚痴しか書かなくなったBlog

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子供の頃は。

ここ森ノ宮団地は都心から一時間のいわゆるベッドタウン。
そんな団地の中にある公園に今日も四人はやってきていた。
しかし今日は無邪気に駆け回って遊んでいる様子はなかった。

四人はまだランドセルを背負ったままの栄太の手の平にある不思議な石を輪になって見ていた。
「わぁ、きれいな石。栄太ちゃんその青い石どうしたの? 」
大きなピンクのリボンをした亜由美が不思議そうに聞いてきた。
「んー さっき川ん所でこの石を拾って投げようとしたらさ、石がいきなり青く光ったんだ」
「そうなの、でも最初はもっと光ってたんだよ今はあんまり光ってないわね」
ジーパン姿のボーイッシュな潤子はそういいながら石を人差し指で突っついた。
すると潤子が触った部分だけ色が波紋をうつように一瞬変わった。
「あっ! 今潤子が触ったら色が変わらなかった? 」
普段は細い目を大きく見開かしている正一郎の言葉に三人はうなずいた。
「潤子、もう一回触ってみろよ、また変わるかもしれないぜ、ほら! 」
栄太は石を差し出すが潤子は戸惑って後ずさった。
「大丈夫だよきっと。じゃあ僕が触ってみるよ」
そういって正一郎は栄他の手の平にあった石を手に取った。
すると青かった石はだんだんと黒くなって、突然赤く光りだした。
四人は宝物を見つけたように驚いたが、光はだんだんと弱くなって落ちついて、赤い飴玉のようなった。
「…はぁ、僕が触ったら今度は赤くなったね」
「う、うん。なんか… なんかすごいわ! ねぇねぇ今度は私が触ってみてもいい? 」
そういって亜由美はその石を正一郎から受け取ると今度は赤からオレンジへと変化をした。
潤子はまだ少し石に触ることをためらっていたが亜由美に説得されて石に触れた。
「わぁ、緑もきれいね。なんだか机の上とかにおいてずっと見ていたいわ」
亜由美は潤子の手のひらにあるその意思に顔を近づけて見つめてそう言った。
「なに言ってんだよ、この石は俺が拾ったんだぞ! 」
栄太は潤子から石を奪いとって両手で隠すようにした。
「あ~っ栄太ちゃんの意地悪ぅ」
「もう少し見せてくれたっていいじゃないのよ、栄太」
「そうだよ栄太。誰も盗んだりしないから、もうちょっと見せてくれよ」
「ん~、わかったよ。でもこれは俺んだからな」
栄太は全員の顔をみて、閉じた両手を前に出し広げて見せた。
そこには再び青くなった石があった。
その後4人は色を変えてはその不思議な石を見つめて遊んでいた。

「栄太! なにやってんのランドセル背負ったままで」
突然の声に栄太は声のするほうを見ると買い物が襟の母親が手招きをしていた。
「ちぇっ、母さんだ。俺帰んなきゃ」
「うん、そうしなよ。じゃあまた明日」
「栄太ちゃん、じゃあね」
「栄太、明日もその石持ってきなさいよ、わかったわね」
四人は手を振り合うと栄太は石を握り締めて母親の元へ駆けていった。

「栄太、遊ぶときは一回家に帰ってきてからっていってるでしょ、もう!」
「うん、わかってるよ。でも、でもね今日すごいもん拾ったんだ」
栄太は背伸びをして母親の顔のほうへ石を掲げた。
「えっ、ただの石ころじゃないの。それがどうしたの」
「違うよ、ほら。ガラスみたいに青く光っているじゃない。ね、すごいでしょ」
「何言ってんの、もう。こんな汚い石拾って!」
そう言うと母親は石を手にとって、石を道沿いに流れていた川へ投げ捨てた。
栄太はそれを見て慌てて石の飛んでいった方を探しに行った。

でも青く光る石は見るからなかった。
何故なら栄太はみたのです、母親が石に触った瞬間石は青から灰色へと変わってしまい、
普通の石と見分けがつかなくなってしまってしまったのを。

栄太は母親の袖をつかみ泣きながら帰ったのでした。
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テーマ:ショートショート - ジャンル:小説・文学

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